MRの気ままな日記

人工知能、シンギュラリティなどに興味があり、主にそれらについて書いていきます。人工知能やシンギュラリティに関する本についても書いていきます。

やがて来る未来「技術的失業」とは?

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技術的失業」 という言葉をご存知でしょうか?

現在の労働者の仕事を技術発展により奪われてしまう事を技術的失業と呼びます。

米国の全労働者の47%が職を失うという論文がオックスフォード大学の准教授のマイケル・A・オズボーンによって発表されました。

日本でも、同様の調査が行われ日本でも全労働者の49%が職を失うという予測が出されました。労働力が人間から人工知能に代替される事によって多くの労働者が仕事を失う事になるのです。

今回は、人工知能による技術的失業について書いていきます。

 

 

人工知能による技術的失業は始まっている

人工知能の発展による技術的失業は、遠い未来の話ではありません。すでに始まっています。

工場などでの生産ラインなどではすでに機械が活躍しており、人間がそれほどいないという事も珍しくありません。

しかし、産業用ロボットを導入するには、1000万円以上かかる事が当然で大企業なら導入する事も難しくないでしょうが、零細企業などではその費用が壁となり導入は難しいというのが現実ではないでしょうか。

リクシン・ロボティクス社の「バクスター」は、価格は170万円程度と中小企業はもちろん零細企業でも導入する事の壁が格段に下がりました。

難しいプログラミングも一切必要なく、バクスターには2本のアームがあり、それを仕事の動きと同様になぞって教えるだけです。

動き回るアームに、何か当たればそれを感知して自動的に動きを止めるので、万一人間と接触しても比較的安全ですので人間の隣で働く「協働」が可能になります。

バクスターは、すでに生産ラインに導入されている所もありこれからどんどん広がりを見せる事になりそうです。

ちなみにリクシン・ロボティクス社は、お掃除ロボットルンバを造ったiRobot社を設立したドニー・ブルックスが新たに作った会社です。

 

知的労働者も安泰ではない

これまで、機械により仕事を奪われる仕事はそのほとんどは単純作業に限られていました。

つまり、単純作業は機械に任せて、人間はより複雑で人間にしかできない仕事に多く時間を使う事ができました。

しかし、人工知能の進化によりこれまで安泰と思われていた知的労働者まで仕事が奪われる可能性が出てきたのです。

米国で行われた法律事務所の対象にした調査では、今後10年以内に人工知能が新任弁護士にとって代わるだろうとという回答が35パーセントに上ったそうです。

弁護士助手に関しては半数が10年以内に不要になるだろうと回答したそうです。

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技術発展が技術的失業をよぶ

18世紀半ばから19世紀かけて「産業革命」がおこり、それまで人間が手で行っていた仕事が機械に取って代わる事が起きました。

1811年から1817年にかけて、イギリスで機械に仕事を奪われる事を危惧した一部の労働者が、機械を破壊するという運動が起こりました。それが「ラッダイト運動」と呼ばれる運動です。

実際に、多くの失業者を出した様ですがそれは一時的で紡績機の導入によって綿布が安価になり、下着をつける習慣が一般的になり、綿布の消費が増え結果的に労働者の需要も増えた様です。

機械の導入により一時的に技術的失業が起こった事になりますが、需要が増えた為に労働力の移動が可能だったのです。

技術的失業は技術発展により起こります。

これまでも機械の発展により技術的失業が起こっているのです。

 

汎用人工知能の実現が「技術的失業」を加速させる

もし、人工知能に仕事を奪われたら、まだ人工知能ができない職種に転職すれば良いのです。

現在、我々が人工知能を呼んでいるのはそのほとんどが「特化型人工知能」です。

特化型人工知能は、ある1つの仕事しかこなす事ができず、それ以外の事は何もできません。

例えば、お掃除ロボットルンバは掃除機をかける事のみしかできずその他の事はできません。

特化型人工知能を新しく開発するには時間と費用がかかる為にまだ特化型人工知能が導入されていない職種に転職できれば、もしかしたらしばらくの間は雇用が保証されるかもしれません。

しかし、自律的に動く「汎用人工知能」が実現されればほどんどの職種が汎用人工知能に取って代わられるかもしれません。

汎用人工知能は、自分自身で考え、課題をこなすのであらゆる仕事に適用する事ができるのです。

汎用人工知能の実現は2030年頃と予測されており、早ければ2030年代には本格的に人工知能の発展による、技術的失業が始まるかもしれません。

 

人工知能が新たな職種を作るは本当か? 

人工知能による技術的失業が問題視される中、既存の職種で失業しても人工知能関連の新たな職種が作られる為、その新たな職種が失業者を吸収するので大きな問題ではないという意見もあります。

確かに先ほど紹介した産業革命で失業した労働者も、綿布の消費拡大によりその後、新たな仕事を得た人もいたでしょう。広く機械の導入が進んで機械に関連した新たな職種に就いた人もいたでしょう。

それと同じ様に、広く人工知能が導入されれば新たな職種が生まれてある程度失業者を吸収するかもしれませんが、その人工知能関連の職種は誰でも就く事ができるのかわかりません。

三菱総合研究所がまとめた予測によると人工知能が社会に普及した場合日本のGDPが平成42年に50兆円増える一方で雇用者数は240万人減るという試算を発表しました。

新たに500万人雇用が増える一方で、740万人の雇用が失われ、差し引き240万人の雇用がが失われるのです。

例え、新しい仕事が創出されても吸収されきれない労働者が240万人出てくる事になります。

 

やがて来る未来にはベーシックインカムが必要

最近、ベーシックインカムの導入の機運が世界的に高まっています。

ベーシックインカムとは、性別、年齢、年収の区別なく全て人々が同じ額を給付を受ける事ができる制度です。

ベーシックインカムが注目され始めた理由にはここまで書いてきた様に人工知能により多くの人が失業してしまう未来が予測されているからでしょう。

ベーシックインカムは、一部の都市などでは導入例がある様です。

 

最後に

これまでも機械の発展などにより技術的失業は起こっていますが、人工知能による技術的失業はその規模はとても広いものになるでしょう。

しかし、人工知能が発達しても、コミュニケーションが必要な仕事はある程度は残るという予測もあります。

高級レストランなどの店員や介護士などの職業がそれにあたります。

これらの職業はただ仕事をこなすだけではなく小さな気配りなどが必要な職業で人工知能に代替が可能だとしても、人間が行う事が求められるでしょう。

つまり、人間らしさが問われる職業が残る事になります。

人工知能時代は人間らしさが大切になる時代になるかもしれません。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。